本当は、いつか息子たちが乗ってくれたら良いなぁ、と思っていました

夫は子供の頃のスーパーカーブームで一目ぼれしたポルシェ911を追いかけ続けて学生時代から貯金をしており、20代半ば過ぎに10年物を中古でゲットしました。
その当時、ワンオーナーでコンディションはまずまず。

それ以来妻よりも手間もお金もかけて大切にされる『愛人』状態で、子供が生まれても後部座席に載せられるチャイルドシートを探して乗るという荒業をして10年以上乗り続けました。
さすがに子供が成長して不便になったのと、当時は空冷式ポルシェの中古車相場がガタガタに下がっていたので「もしかしたら子供が大きくなって免許を取ったら、乗ってくれるかもしれない」と淡い期待を抱いて、私の実家(元農家)に預けることになったのです。

それから10年(笑)。
時々エンジンをかけたりして、ある程度の整備は自分が行っていましたが。
それなりのコンディションを保っていた頃に、息子たちの大学受験が迫ってきました。

現代っ子らしく、彼らは、車に対してそれほどの執着を持っていません。
電車でどこにでも行けるし、駐車場がバカ高い関東で暮らしていると、男の子でもそれほど車が欲しいとは思わないのかもしれません。

丁度そのころ、空冷式ポルシェの中古車相場が高騰してきたのです。
なんでも、日本の中古車のクオリティが良好であることから、中国やアラブの投資家や好事家の注文が増えたのだそうです。
オートマのマイコン制御になる前の80年代のマニュアル車の頑丈さも良かったらしく。

見積もりを取ったら思いのほかいいお値段が付いたので、夫が売却の意思を固めてしまったのです。

私は、正直売りたくなかったな、と今でも思います。
子供が小さいころにガチガチのマニュアルに苦労させられたけれど、なんとか乗りこなした思い出の詰まった車だったし、子供が免許を取ったらまた乗りたくなるかもしれない、と思ったからです。

しかし、夫は人の話を聞いちゃいません。
さっさと売却の話を進めてしまい、業者の人と、実家で落ち合う算段を整えて、当日を迎えました。

9月の暑い日でした。
もうバッテリーが切れてしまい、数年はエンジンを回したことがないというシロモノでしたが。
業者さんが確認のためにとバッテリーをつなぎ、エンジンを回してみたら、かかったのです!

ああ、やっぱりドイツ車のエンジンて丈夫なんだなぁ。
プロの業者さんが驚くほどの元気な状態で、我が家からそのポルシェは嫁いでいきました。

今はどこにいるんでしょう(笑)。

日本国内でも、どこかよその国でも、元気に走っていてくれたら良いなぁ、と思っています。

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